12月12日(月)にポーカーの夕刊フジ杯王位決定戦の著名人予選に出場します。
当日はニコニコ動画公式生放送で全国に実況生中継されます。
学生時代からの友人・木原直哉ポーカープロが解説。将棋の永世名人でありバックギャモンプレイヤーの森内俊之選手も出場します。
今回はバックギャモンではなくポーカーの大会です。
バックギャモンとポーカーは見た目が全く違うので、何の共通点もないと思うかもしれませんが、バックギャモン出身のポーカー選手はたくさんいます。
木原直哉プロも世界的トッププレイヤーのガス・ハンセンも元々はバックギャモンプレイヤーです。
今日は私のポーカー経験などを交えて、バックギャモンとポーカーの共通点についてお話したいと思います。
私が初めてポーカーの大会に出場したのは、2006年の日本選手権東京予選でした。
友達に誘われて参加したのですが、実は大会当日の朝にざっくりルールを知り、戦略は実戦の中で考えました。
そしてトントン拍子に勝ち上がり東京代表として全国大会に出場しました。
2回目の大会は2012年10月。バックギャモンの大会で海外遠征に出かけている時、気分転換にポーカーアジア選手権(マカオ)のレディーストーナメントに参加しました。
普段全くポーカーをしていませんでしたが、ファイナルテーブルまで勝ち上がることが出来ました。
運が良かったと言えばそれまでですが、大会中バックギャモンの知識と経験がとても役に立ちました。
私はいつもバックギャモンで確率に触れているので、確率が数字の他に感覚として分かります。
計量カップを使わなくても100gピッタリ測れる人がいるように、100分の1と99分の1の違いが数字の違いだけでなく感覚としてもあるのです。
確率は100分の1といっても、実際に100回に1回起るわけではありません。1000回やって最初の500回中0回、残り500回中10回だから100分の1かもしれません。
だから計算して100分の1だと数字だけ分かっていたり、計算しないで経験上過去500回中0回だから残りも0回だと思いこんでいたりすると、1回が出た時のダメージが大きくなります。
数字と感覚の両方を持っていると、ポーカーにおいて100分の1はよくあることか滅多にないことかや、自分のハンドは上位何%の強さだが実際勝負に参加出来るハンドは全体の何%でその中ではどのくらい強いかが見えてきます。
では具体的にバックギャモンの知識をポーカーの何に役立てるかについてです。※バックギャモンの戦略を知らない人がほとんどだと思うので、ざっくりとだけ書きます。
バックギャモンの試合にはスコアがあります。さらに1点勝ち、2点(ギャモン)勝ち、3点(バックギャモン)勝ちという勝ち方があります。
単純に1点だけ欲しい時は、勝率が1番高いプレイを選びます。
1点欲しいけど、2点負けはしたくないという時は、勝率と2点負け率を見積もります。
1番勝率が高い手の2点負け率も高い場合、少し勝率が下がっても2点負け率が低い手を選びます。
このように盤面が同じであっても、スコアによって正解手が変化するというのはバックギャモン特有で将棋や囲碁にはありません。
このマッチエクイティによるプレイの変化をポーカーではチップのスタック(量)やポットのベット額、テーブルの参加人数の変化に応用することが出来ます。
またバックギャモンのダブリングキューブはポーカーのレイズに通じるところがあります。
期待値的にレイズするべきか?するならいくらベットするべきか?この判断もバックギャモンのスコアによるダブルポイントの判断に似ています。
というわけで、バックギャモンとポーカーは全く違うゲームにも関わらず、考え方のプロセスにいくつか共通点があるため、バックギャモンのトーナメントプレイヤーはポーカーの大会でもある程度の戦略や状況判断が出来るのです。
ポーカーは相手のハンドが見えないので、レイズかそれともチェックレイズがいいか?相手はブラフしているか?などの読みや心理戦は、完全情報ゲームであるバックギャモンにはない要素です。
長々と書きましたが、夕刊フジ杯ではあまり難しく考えずに、ポーカーならではの不確定要素をうまく楽しみながらプレイしたいと思います!
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